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東京二十景 浅草観音雪霽

作品鑑賞

この木版画は、雪が降り積もった冬の静かな情景を鮮やかに映し出しています。朱色に塗られた寺院の建物は、雪の白さと澄んだ青空とのコントラストが美しく、画面の中心を占めています。伝統的な着物を纏った二人の女性が静かに境内を歩く様子があたたかみを添え、全体に穏やかな空気が漂います。建築の細部は繊細な線で精確に表現され、空のグラデーションが静寂を引き立てているのが印象的です。

雪の質感は微妙な陰影で柔らかく表現され、朱塗りの屋根の曲線に積もる雪が冬の静謐さを強調しています。この作品は伝統的な浮世絵の技術を基にしながらも、現代的な感性で冬のひとときの静けさと自然の美しさを見事に捉えています。静かな凛とした空気感が心に沁みる一枚です。

東京二十景 浅草観音雪霽

川瀬 巴水

カテゴリー:

制作年:

1926

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サイズ:

4024 × 5905 px

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