ギャラリーに戻る
五宝藏山

作品鑑賞

この作品は、喜馬拉ヤ山脈の壮大な美しさを捉え、高くそびえる白い山々に囲まれた穏やかな風景を描いています。山々の存在は畏敬の念を抱かせ、その鋭い結晶的な輪郭が穏やかな青空の背景に美しく対比しています。アーティストは、青と白のグラデーションを巧みに使い、空の広大さと雪に覆われた峰の冷たく純粋な自然を示唆しています。ささやく風や自然の遠くからの呼び声がこの凍ったシーンから響き、時間が止まった世界に観る者を招き入れます。

構図は巧妙で、視線を下の斜面から(深い影の中に)上へと導き、日の当たった頂上へと進みます。山脈の稜線を越える光の微妙な陰影が冷たい山の表面に命を吹き込み、地理的な特徴だけでなく、自然の美の壮大な物語の登場人物として表現しています。各峰は際立ち、ほぼ恐ろしいほどですが、さらに遠くにあるものはやわらかく覆われて見え、この山の王国の中で奥行きを深めています。見る者は、穏やかさと高揚感の混合を感じ、壮大な景色の中で人類の位置を考えさせられるでしょう。

五宝藏山

ニコライ・レーリヒ

カテゴリー:

制作年:

1933

いいね:

0

サイズ:

3600 × 2130 px
790 × 470 mm

ダウンロード: