この紙に描かれたガッシュ画は、金の装飾が繊細に輝き、神秘的な雰囲気を醸し出しています。画面の中心には、威厳ある白髭の老人王が豪華な玉座に座り、豊かな装飾の冠がその知恵と権威を示しています。彼の前には、赤い翼を持ち金色の衣を纏った天使が跪き、敬虔なまなざしで見上げています。玉座の建築的な細部や周囲の柱が荘厳な聖域を想起させ、窓の外には穏やかな風景が広がり、深みと静けさを添えています。

画家は深みのある青、鮮やかな赤、輝く金色を巧みに組み合わせ、衣装や玉座の繊細な装飾を細密に描写しています。柔らかな光が人物に降り注ぎ、瞑想的かつ超越的な空気感を生み出しています。地上と神聖、老いと若さが交錯するこの作品は、信仰や権威、精神的導きについて深く考えさせられるものであり、その象徴的で夢幻的な性質は時代背景とも密接に結びついています。