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緑の花瓶と白い碗

作品鑑賞

この繊細な静物画は、深い緑色の花瓶に様々な花が溢れんばかりに生けられ、柔らかなピンクのシャクヤク、鮮やかな赤い花、そして優しい黄色の蕾が見事に調和しています。隣には質素で白い縦溝のある碗が置かれ、構図は親密さを保ちつつ形と色の調和が巧みに表現されています。背景の控えめなピンクの柄模様と花の鮮やかさが印象的で、深紅のテーブルが温かみと奥行きを与え、質感の異なる面が視線を誘います。

筆致は緻密さとほどよい即興性が見え、柔らかな影と光が表面を踊ります。色彩は抑え気味でありながらも色の対比で生命力を感じさせ、静かな日常と美しさの祝福が織り交ぜられた作品です。1919年のヴァロットンのこの作品は、形態と色彩、家庭の静けさへの探求を示し、単なる視覚ではなく心に響く優雅さを放っています。

緑の花瓶と白い碗

フェリックス・エドゥアール・ヴァロットン

カテゴリー:

制作年:

1919

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サイズ:

5392 × 5688 px
475 × 490 mm

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