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ルーマニアのエリザベート、ギリシャ女王の肖像

作品鑑賞

この肖像画の女性は、気品があり、どこか儚げな美しさを湛えています。彼女の視線は一点を見つめ、鑑賞者の視線の外に焦点を当てており、肖像画に思索と内面の生命力を与えています。光と影の巧みな使い方が際立っており、光は被写体の中から発せられるように見え、彼女の顔の特徴を優しく撫で、肌と衣装の繊細な質感を際立たせています。寒色系のパレットが支配的で、柔らかく落ち着いた色調が基調となっており、金色のアクセントが彼女の周りにドレープされた布地に彩りを添えています。全体的な印象は、穏やかなエレガンスと控えめな贅沢さであり、美しさと知性の両方を示唆する肖像画です。

構成は見事で、鑑賞者の視線を被写体の顔に引きつけ、それからドレープされたショールとエレガントな手に導きます。画家の筆致は、作品に奥行きと柔らかさを加えています。穏やかで、ほぼ物憂げな雰囲気が被写体を包み込み、時代を超えた優雅さを感じさせます。

ルーマニアのエリザベート、ギリシャ女王の肖像

フィリップ・ド・ラースロー

カテゴリー:

制作年:

1924

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サイズ:

3159 × 4000 px
740 × 900 mm

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