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島原港 眉山 1922

作品鑑賞

この木版画は、雄大な山々を背景にした静かな港町の風景を見事に捉えています。山は深い藍色や緑色のグラデーションで表現され、鋭い稜線が力強さと静けさを同時に感じさせます。下方には伝統的な日本家屋が石垣に沿って並び、自然と人間の調和が美しく描かれています。前景の水面は空の青さと建物の影を映し、静謐な雰囲気を醸し出しています。

技法的には、日本の木版画特有の色彩の重ねと細やかな描写が光ります。山々の色の階調が遠近感を生み出し、屋根や石垣の繊細な線描がテクスチャーを豊かにしています。煙突から上る煙が、静かな日常の息づかいをほのかに感じさせ、この作品は新版画(しんはんが)運動の代表的な一枚で、伝統的な浮世絵技法に現代的な自然観を融合させたものです。

島原港 眉山 1922

川瀬 巴水

カテゴリー:

制作年:

1922

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サイズ:

2374 × 3200 px

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