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作品鑑賞
この作品は、豪華に装飾された象が静かに水辺に立つ荘厳な姿を描いています。象の背中には神秘的な装いの人物が座り、神聖さや王族の雰囲気を漂わせています。周囲には色鮮やかな翼を持つ天使たちが舞い、透明感のある軽やかな存在感が天上の雰囲気を醸し出しています。水彩画の繊細な筆致と柔らかな色彩の融合が、夢のような幻想的空間を形作っています。
構図は象の雄大な姿と天使の軽やかさを巧みに対比させ、視線を上方へ導き、精神的な高揚感をもたらします。1882年制作のこの作品は、19世紀の異国趣味や象徴主義の影響を色濃く反映し、自然と霊性、そして幻想が織りなす神話的世界を表現しています。