ギャラリーに戻る
日本風景集 仙台青葉城 1933年

作品鑑賞

この静謐な木版画は、夜空の下に佇む伝統的な日本の城の端正な姿を写し出しています。抑えられた青緑色のパレットによって、涼やかで穏やかな空気が醸し出され、瓦屋根や壁に柔らかな影が落ちる様子は実に美しい。構図はバランスがよく、連なる屋根の曲線が目線を空へと導き、雲の多い夜空が静かな期待感を漂わせています。石垣の質感や周囲の樹木の繊細な描写が画面に奥行きを持たせ、まるで歴史の息吹が感じられる夜の静けさを体感させてくれます。

1933年に制作されたこの作品は、伝統的な木版画技術の復興期にあたり、古典への敬意と作者の繊細な感性の融合を示しています。光と影の織り成す豊かな質感と構図の妙が優れた技術を物語り、日本の建築美の静謐さを永遠に讃える一作となっています。

日本風景集 仙台青葉城 1933年

川瀬 巴水

カテゴリー:

制作年:

1933

いいね:

0

サイズ:

4349 × 6224 px

ダウンロード:

関連作品

朝鮮風景集 京城景会楼 1942年
熊谷大雷神社 1932年
旅行札記Ⅲ(旅みやげ第三集)出雲 美保関 1924
日本風景集 肥前 京泊 1922
岡山の時計台 1947年
大阪道頓堀の朝(1933年)
日本風景選集 平泉 中尊寺 金色堂(1935年)