ギャラリーに戻る
旅行札記Ⅲ(旅みやげ第三集)出雲 美保関 1924

作品鑑賞

緑豊かな山々を背に、静かな水辺の村が穏やかに広がる風景を描いています。堅牢な石積みの防波堤は川面に伸び、先端には伝統的な石灯籠が立ち、二人の小さな人物がその上に佇んでいます。水面は細やかな線描とさまざまな青の濃淡によって表現され、波の揺らぎと静寂を感じさせます。ひと隻の帆船が穏やかな風を受けてゆったりと進み、その姿が湖面に映り込んでいます。

自然と人の営みが調和する構図が見事です。背景の緑濃い山々はまるで巨大な緑のキャンバスのようで、その前に連なる家々が静かに寄り添っています。木版画ならではの繊細な線と網点による表現技法が葉の質感や石垣の細部に光り、色は緑・茶・青の落ち着いた配色で情緒を豊かに醸し出しています。20世紀初頭の浮世絵の傑作として、伝統美と日常の風景観察が見事に融合した作品です。

旅行札記Ⅲ(旅みやげ第三集)出雲 美保関 1924

川瀬 巴水

カテゴリー:

制作年:

1924

いいね:

0

サイズ:

2170 × 3200 px

ダウンロード:

関連作品

後志美国のセタカム岩
朝鮮風景集 平壌の春
東京二十景 浅草観音雪霽
十和田湖千丈幕 1933
水戸涸沼広浦 1946年
東京十二題:深川上の橋
房州浜荻多聞寺 1934
熊谷大雷神社 1932年
大阪道頓堀の朝(1933年)
吉田の雪後初晴 1944年