ギャラリーに戻る
旅行札記Ⅰ(旅みやげ第一集)しほ原 雄飛瀑布 1920

作品鑑賞

この作品は、そびえ立つ暗い岩壁の間を勢いよく流れ落ちる雄大な滝を捉えている。滝の水は鮮やかな白と繊細な青で表現され、深みのある岩の暗色と対照的に際立っている。風に舞う鮮やかな秋の紅葉が、冷たい色調の中に温かみを添え、力強い自然の風景に柔らかな動きをもたらしている。構図は滝の上流からしぶきを上げる瞬間へと視線を誘い、その迫力と美しさを感じさせる。

伝統的な浮世絵木版画の技法を用い、繊細な線描と巧みな色のグラデーションで、写実的ながらも詩情豊かな静寂感を醸し出している。色彩と構図のバランスは、古代から続く自然の瞬間をまるで実感させるようで、観る者に滝のしぶきや舞い落ちる葉の囁きを感じさせる。この作品は、日本人が自然に抱く深い敬意を表しており、時代の風景美意識の象徴として重要である。

旅行札記Ⅰ(旅みやげ第一集)しほ原 雄飛瀑布 1920

川瀬 巴水

カテゴリー:

制作年:

1920

いいね:

0

サイズ:

2134 × 3200 px

ダウンロード:

関連作品

旅行札記Ⅰ(旅みやげ第一集)濱市堀川 1920年
旅行札記Ⅰ(旅みやげ第一集)
北海道洞爺湖 1933年
旅行札記Ⅰ(旅みやげ第一集)若狭 久出の浜 1920
和歌山県見老津港
阿武兎の観音の雪景色
不忍池弁天堂の雪
北海道 大沼公園 1934
伊豆伊東松月院 1933年
東京十二題 大根河岸
名古屋市瑞泉寺 1932年