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メクネスの警備室 1847年

作品鑑賞

揺らめく光のぬくもりに包まれたこの室内には、静かでどこかしんみりとした空気が漂う。二人の人物が毛布にくるまれて横たわり、長い見張りの後の疲労と静寂が感じられる。粗くて素朴な壁、暗がりの空間、そして壁にかかる武器や旗がこの守衛室の質素な生活を物語っている。色彩は土色や深い赤を基調とし、空間に熱と疲れ、時間の流れを巧みに表現している。

構図は影と柔らかな光の対比で構成され、視線はまず休む人物達に引き寄せられ、次に背景の質感へと導かれる。静けさの中に物語の緊張感が漂い、モロッコのメクネスでの軍事生活を想起させる。繊細な筆致が見張りと休息の物語を語り、ドゥラクロワのオリエンタリズムと人間の脆さへの関心を表している。これは異国情緒と人間精神の静かな強さを描いた作品だ。

メクネスの警備室 1847年

ウジェーヌ・ドラクロワ

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制作年:

1847

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サイズ:

3917 × 4845 px
530 × 650 mm

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