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旅行札記Ⅱ 佐渡 西三川坂 1921

作品鑑賞

この作品は静かな海岸の冬景色を描き、雪が柔らかく覆い尽くすことで見慣れた風景を穏やかで静謐な冬の世界に変えている。海岸線は優雅に曲がり、雪に覆われた崖が険しさを和らげている。紺碧の海は対照的に鮮やかで、降り積もる雪の舞いが冷たく静かな空気を際立たせる。細やかな色のグラデーションと繊細な線描が雪の質感や水面の落ち着きを表現し、陸と海の調和が見事に描かれている。

構図は思慮深く配置され、道を歩くひとりの人物が静けさと孤独を映し出し、観る者をこの静謐な世界に引き込む。白や青、灰色を基調とした色彩は寒々しくも静寂な冬の雰囲気を醸し出し、新雪の降る海辺の静けさを見事に捉えている。この作品は自然の一瞬の美しさを繊細な感性で描き、20世紀初頭の浮世絵作品の優雅さを示している。

旅行札記Ⅱ 佐渡 西三川坂 1921

川瀬 巴水

カテゴリー:

制作年:

1921

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サイズ:

3856 × 2574 px

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