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遠州新居町 1931

作品鑑賞

この静かな木版画は、新月の下にある静かな新居の町の美しさを捉えています。深い青色のグラデーションが夜の静けさを優しく表現し、夕暮れ後の静謐な空気を感じさせます。穏やかな水面には空の微かな光と家々の影が映り込み、画面に静かな調和と対称をもたらしています。家屋は繊細な線で描かれ、地域の結びつきや日常の静けさが伝わってきます。唯一明かりの灯る窓からは、暖かな人々の営みが覗き、親しみやすさと温もりを感じさせます。

画家は構図を巧みに操り、水辺の反射と屋根の連なり、月の淡い光をバランスよく配置。色彩の微妙なグラデーションと繊細な筆遣いが、感情に静かな安らぎをもたらします。新居の風景を題材にしたこの作品は、伝統的な新版画の技法で、郷愁や自然への敬愛を詩的に表現した傑作です。

遠州新居町 1931

川瀬 巴水

カテゴリー:

制作年:

1931

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サイズ:

4353 × 6441 px

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