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作品鑑賞
この作品は切り倒された大樹が新たな芽を力強く伸ばす様子を描いています。太く逞しい幹には伐採の跡が見えますが、そこから新たな枝葉が生い茂り、生命の息吹と再生の力強さを感じさせます。墨と淡い色彩の繊細な使い方で、幹の重量感と葉の軽やかさが対比的に表現されており、背景の山々は穏やかな淡墨で描かれて、広がりと静寂を与えています。
画面下部には大樹のそばに立つ三人の人物がおり、彼らの存在が自然との共生や世代のつながりを暗示しています。詩が書かれた縦の書道も作品の一部として調和しており、生命力や春の到来への賛歌を伝えています。全体として、困難に負けず生命は新たに伸びていくという強いメッセージが込められているのです。