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三保の松原 1931

作品鑑賞

この魅力的な木版画は、穏やかな海岸の風景へと私たちを誘います。優雅な松のシルエットが静かな海辺で優しく揺れています。力強い松の枝や陸に揚げられた舟と、空に浮かぶ繊細な雲が絶妙に対比されており、遠くには淡い紫や青で彩られた雄大な山が静寂な海を見守っています。色調は抑えつつも鮮やかで、新緑の緑と淡い青、細やかな砂浜のベージュが爽やかで瞑想的な空気を醸し出しています。潮風を感じ、波のささやかな音が聞こえてくるようで、日常の喧騒の前の静かなひとときを捉えています。

画面の構成は、テクスチャー豊かな砂浜の前景から松並木の中景、そして遠方の山々へと視線を誘導し、自然の要素がリズミカルに織りなされています。この作品は伝統的な浮世絵の技法と20世紀初頭の新しい感覚が融合したもので、文化遺産と新しい芸術表現の架け橋となっています。その穏やかで深遠な感情的共鳴は、時を止めて自然の穏やかなリズムに耳を傾けるよう誘います。

三保の松原 1931

川瀬 巴水

カテゴリー:

制作年:

1931

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サイズ:

4425 × 6477 px

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