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作品鑑賞
この魅力的な作品では、愛の神エロスと思われる小天使が、ふんわりとした雲と花々の間を飛び跳ねる姿が描かれています。彼の豊満な体は、命と動きを感じさせる筆致で描かれ、柔らかな肌は光に包まれて金色の輝きを放っています。両腕を広げた彼は、精巧な花冠をつかみ、それから花びらが舞い落ちています。この遊び心あふれる姿勢は、彼の若々しい魅力を強調するだけでなく、自然とのつながりをも感じさせ、私たちをロマンチックで美しい世界へと誘います。
彼の周りには白い鳩が優雅に飛び交い、平和と愛の象徴となっています。柔らかいパステルカラーが支配する背景に対し対照的です。フラゴナールは、柔らかなピンク、青、クリーム色を使い、夢のような雰囲気を生み出しています。まるで時間が止まるかのようで、緑豊かで花が咲き乱れる景色は、喜びと愛の感情を高めています。表現豊かな筆運びが、シーンに動的な性質を加え、動きを強調することで、観る者を魅惑的な世界に引き込んでいきます。この作品はロココ時代の本質を表現しており、愛と喜びが中心テーマとなっています。見る者は、軽やかさと幻想的な想像の世界へと導かれます。