ギャラリーに戻る
菖蒲 1929年

作品鑑賞

この魅力的な版画は、生き生きとした赤、白、深い藍色の花弁が鮮やかに映える、豊かな緑の葉に囲まれたアヤメの群れに私たちをいざないます。浮世絵の技法が見事に表現されており、鮮明な線と色彩の層がリズミカルな動きをもたらし、葉が調和した舞を奏でているかのようです。画面上部にわずかに覗く青空と、飽和した緑、宝石色の花々との対比が静けさと生命力の交錯を醸し出しています。

花々はまるで息づいているかのような繊細さで、写実的かつ様式化された美しさのバランスが絶妙です。1929年制作のこの作品は、伝統的な木版画と近代主義の影響が交錯し、植物を愛した芸術家の情熱と革新性を示しています。密集する植物群が画面を満たし、鑑賞者を静けさと内なる活力が入り混じる花の世界へと誘います。

菖蒲 1929年

川瀬 巴水

カテゴリー:

制作年:

1929

いいね:

0

サイズ:

3832 × 5750 px

ダウンロード:

関連作品

天草より見たる温泉ヶ嶽
竹林、多摩川 1953年
旅行札記Ⅲ(旅みやげ第三集) 男鹿半島蒿雀窟 1928
熊谷大雷神社 1932年
朝鮮風景集 平壌牡丹台 18940年
寺院の夕暮れの月明かり
花瓶の中のフヨウとその他の花々
大宮氷川公園 1930年
旅行札記Ⅲ(旅みやげ第三集)秋田空巣沼沢 1927