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弘前最勝院の雪景色

作品鑑賞

この魅力的な木版画は、弘前の最勝院における静かな冬の風景を見事に描写しています。画面の右側に赤く鮮やかな五重塔が配置され、それに対して左側には雪に覆われた松の木々が柔らかく広がっています。降り積もる雪は白い点で繊細に表現され、冷たく静寂な空気が伝わってきます。五重塔の建築は壮大さと細やかな職人技を兼ね備え、屋根の雪の層が季節感を強調しています。

色のパレットは控えめながらも深みがあり、深い赤色と緑色が白や落ち着いた背景色と調和して、穏やかな雰囲気を醸し出します。寺の入口付近には黄の傘を持つ人影がおり、荘厳な建物の中で孤独と静寂を感じさせつつ、鑑賞者をこの聖域へと誘います。この作品は20世紀初頭の日本木版画の伝統と美しさを映し出し、自然、精神性、建築美の調和を見事に表現しています。

弘前最勝院の雪景色

川瀬 巴水

カテゴリー:

制作年:

1936

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サイズ:

2083 × 3104 px

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