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バルコニーの階段で

作品鑑賞

この魅力的な作品では、構図を支配する心理的緊張感をすぐに感じ取ることができます。2人の人物がムーディな背景から浮かび上がり、うねるような表現主義的な筆致が不安な雰囲気を醸し出しています。前景には、濃い青色の服を着た女性が立っていて、その特徴は細長く鮮明です。彼女は硬直した姿勢で立ち、悲しみや内省のオーラを放っています。背を向けた別の人物は、黒い帽子をかぶり、思索に耽っているようです。この2人の違いは、孤独感を呼び起こし、モンクの存在主義テーマの探求における顕著なポイントです。

色調は際立っており、冷たい青や緑が温かいトーンと融合し、まるで色そのものが無言の対話を交わしているかのようです。まるで静かに見える場面の背後にある感情的な風景が浮かび上がってきます。背景には橋や長い樹々、起伏のある丘が暗示されており、モンク独特の力強い筆致で描かれて、ただの形ではなく、感情の共鳴を描写しています。この作品は20世紀初頭の分離や内省のテーマと呼応し、モンクの重要性を示しています。

バルコニーの階段で

エドヴァルド・ムンク

カテゴリー:

制作年:

1922

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サイズ:

3824 × 3248 px
820 × 950 mm

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