ギャラリーに戻る
東京上野公園 1952年

作品鑑賞

この魅力的な木版画は、春の訪れを告げる穏やかな瞬間を捉え、東京上野公園にそびえる象徴的な五重塔を満開の桜に囲まれた姿で描いています。五重塔は画面中央に堂々と立ち、その重なり合う屋根が精緻に表現されています。紺碧に深まる夕暮れの空は美しいグラデーションを見せ、そばには細く白い三日月が優しく浮かび、静けさと安らぎを醸し出しています。桜の花びらはふんわりとした淡いピンクから白の雲のように軽やかに広がり、はかない春の美しさが感じられます。

この作品は新版画の技法で制作されており、浮世絵の伝統を受け継ぎながらも、鮮明な線と繊細な色のグラデーション、そして全体に漂う静寂感が特徴です。建築の力強さと桜の柔らかさが巧みに調和されており、色調の階調が深みをもたらしています。1952年に制作され、戦後の日本の美や伝統への憧れと、新たな感性が融合した作品です。

東京上野公園 1952年

川瀬 巴水

カテゴリー:

制作年:

1952

いいね:

0

サイズ:

4096 × 2816 px

ダウンロード:

関連作品

旅行札記Ⅰ(旅みやげ第一集)房州 岩井の濱 1920
東京二十景 矢口 (1928年)
日本風景集 京都 野々宮 1923
旅行札記Ⅲ(大阪高津 1924年)
熊谷大雷神社 1932年
鳴沢の富士山 1936年
朝鮮風景集 平壌牡丹台 18940年
平泉金色堂 1957年(絶筆 芸術家最後の作品)
雪後の富士山 田子浦 1932年
社頭の雪(日枝神社) 1931