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作品鑑賞
この作品は、子どもたちの無邪気な遊び心を劇的な舞台背景に映し出しています。中心に立つ少年は、兵士の制服を思わせる黄褐色の膝丈ズボン、淡い青のジャケット、装飾的な帽子を着用し、年齢に似合わぬ大きな銃を手にしています。彼の穏やかで少しいたずら好きな笑顔は若さの冒険心を映し出しています。周囲の二人の子どもは、片方はリズムにのったようにドラムを叩き、もう一人は木製の玩具を持って好奇心に満ちた目で見つめています。
筆遣いは繊細ながら大胆で、色彩は淡い青や緑、アースイエローなどを主体に用いられ、空気を感じさせる葉の動きも軽やかです。構図は三角形をなしており、暗い部分から明るい中央の少年へと視線を導き、全体にバランスのとれた安心感をもたらします。この絵はただの子どもの遊びではなく、18世紀後期の社会背景を反映し、無垢な子ども時代と大人の現実とのはざまの複雑な感情を呼び起こします。