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旅行札記Ⅱ 佐渡 真野湾 1921

作品鑑賞

広大な空の下で穏やかな海岸の景色を捉えた一枚。前景の水面は柔らかな波紋を描き、上空の淡いパステル調の色彩を映し出しています。地平線には細く暗い陸地が広がり、その背後には低い山々がシルエットのように浮かび上がります。ふんわりとしたピンク色の雲がゆったりと流れ、夜明けか夕暮れの静かで平和な雰囲気を醸し出しています。広がる空の軽やかさと陸地や水の安定感が絶妙に調和し、空間の広がりを感じさせます。

伝統的な浮世絵の木版画技法を用いており、水の深い青から空や雲の柔らかな青やピンクのグラデーションまで、色彩の微妙な変化が美しく表現されています。繊細な色調の変化は瞑想的なリズムと奥行きを生み出し、視る者に静かな感銘を与えます。この作品は、20世紀初頭の新版画運動による古典ジャンルの復興の特徴を色濃く示しています。

旅行札記Ⅱ 佐渡 真野湾 1921

川瀬 巴水

カテゴリー:

制作年:

1921

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サイズ:

6272 × 4314 px

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