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荊の首飾りと蜂鳥の自画像

作品鑑賞

この力強い自画像では、画家は豊かで大きな緑の葉に囲まれた自身の穏やかでありながら強い意志を感じさせる表情を前面に押し出しています。画面はきっちりと構成され、彼女の顔が中心となり、荊の首飾りが首に絡みつき、痛みと強さの象徴として機能しています。その中心には儚げなハチドリが捕らえられており、美しさと苦しみが対比されています。右肩には黒猫が不気味なまなざしをこちらに向け、左肩のクモザルは枝に手を触れながら思索的な様子。編み込まれた髪には繊細な蝶が舞い、荊の絡まった背景に繊細さを添えています。画家の卓越した描写技術は顔や葉、毛の質感、そして輝くハチドリの羽根までもが緻密に描かれているところに表れています。落ち着いた深緑や肌の柔らかい赤み、そして黒を基調とした色調は感情の深みを増し、内なる苦悩と強さを感じさせるのです。これは肉体的かつ精神的な苦難の時期に描かれ、私的でありながら象徴的な、この作品は耐え忍ぶことと自我を綴った視覚詩とも言えるでしょう。

荊の首飾りと蜂鳥の自画像

フリーダ・カーロ

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制作年:

1940

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サイズ:

4674 × 6000 px
495 × 635 mm

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